Q5 薬によくないから柑橘はだめといわれたが、どうしても食べたい

他の薬局からもらっている薬で、グレープフルーツがダメだといわれた。汁もダメ。夏みかんなど他の柑橘も注意が必要とのこと。

別の薬局の血圧の薬では、柑橘の皮がだめで果実・果汁なら安全だといわれたことがある。

どうして言われることが違うのか。薬を飲まなければ食べてもよいのか?

A5 食材に含まれる成分がお薬の血中濃度を上げて、薬の効果を強くすることがあります

 

●お薬は飲んだ方がよいでしょう。

有効域が狭く、血中濃度を厳密に管理しなければならない薬剤もあります。決められたとおりに、薬を飲まないことは、血中濃度を不安定にします。

グレープフルーツは血中濃度を安定的に管理するため、避けていただいています。

 

●ヨルモカ薬局としては、「果汁でも影響がでることがある」という事実を、お伝えします。

理由のない食事制限には反対ですが、影響が無視できるかは、摂取量の差、薬剤毎の差、個人の体質差によります。

具体的なことはわかりませんが、どちらの薬局も、適切なことをお伝えしているように思います。

 

●食べたいものが食べられない苦しみは耐え難いことと思いますが、経緯・事情をよく知らない立場から、できることにはかぎりがあります。

無責任な仕事はできません。お薬を調剤した薬局、処方した医師とよく相談してください。

 

●食べても影響が少ない柑橘類もあります。

バレンシアオレンジ・マンダリンオレンジ・日向夏・レモン・ゆずなどは召し上がれるかと思います。ご参考まで。

食べられる範囲内で楽しむということも一つの方法だと思います。

 

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 ●補足:柑橘類ではなく、フラノクマリン類を取りすぎないようにすることが大切です。

 

お薬の効果を強める成分の摂取の量が増えると、薬の効果を強くするはたらきも強くなります。

フラノクマリン類は、皮はもちろん、果実、果汁にも含まれています。※同じgで比べると、皮の方により多く含まれています

ジュース類、特に濃縮還元タイプは、成分が多く含まれることになるため、避けた方がよいでしょう。

 

フラノクマリン類による影響は、1~数日続きます。つまり、お薬と柑橘類を食べる時間をあけたとしても、影響を受けてしまうということです。

 

フラノクマリン類による影響の受けやすさの程度は、個人差、薬剤差があります。

ほんの少量のフラノクマリン類でも影響を強く受けてしまう人もいます。

お薬にも、影響を受けやすい薬、受けにくい薬がありますし、血中濃度の上昇が副作用増強につながりやすい薬、ある程度は許容できる薬(有効域が狭い薬、広い薬)があります。

 

フラノクマリン類を、どの程度、避けなければならないかということは一律に決められるものではありません。

※グレープフルーツ類と薬の影響について、OATP阻害により効果が減弱するという飲み合わせもありますが、他薬局の説明内容は、腸管CYP3A4阻害に関するものと思われます

※フルーツ果汁(グレープフルーツ他、🍎、🍊)によるOATP阻害に関しては、お薬を飲んでから、召し上がるまで、時間をあけてもらうことで避けることができます